Chemin du Gastronome
Les plats et Les matières
美しい料理と美味しい素材

Citron broyé en crème,
mousse de fenouil et sablé à la poudre de combawa

第56回 現代フランス料理技術特別講習
講師:ルノー・オージエ氏

オージエシェフが南フランスをイメージして作ったデザート。サンサンと輝く太陽の下、海風にあたりながら海岸線をサイクリングしている情景を思い描いたそうです。

コブミカンパウダーを使ったサブレの上に、レモン・ライムのムース、さらにその上にカラマンシーのアイスクリーム。まわりには、フヌイユとマスカルポーネ、パスティスが入ったクリームをあしらいました。

レモン等の柑橘系の酸味の味を中心に、地中海原産とされ南フランスでよく使われる野菜フヌイユやパスティス(南フランスでアペリティフとしてよく飲用されるリキュール)の、香りの強めな食材がメランジェされ、南仏の風のような爽やかな味わいです。

Citron broyé(シトロン・ブロワイエ)

ムース部分にフレッシュのレモンとライムの他に使用したのが、このCitron broyé(加糖クラッシュレモンピューレ)。

フランス・シコリ社が、20年前にレモンタルトのガルニチュール向けの商品として開発されました。本物の味、色、テクスチャーを持つ果物のピューレを作るため、シコリ社工場で選別されたスペイン産のレモンを破砕し、砂糖を加えて製造しています。

他の果物に比べてピューレを作るのが難しい柑橘類。果汁の特徴的な味わいを再現するために、芳香の大部分を占めるレモンの皮、薄皮、果肉を合わせて砕いています。酸味、苦味、フルーティーな味わいが繊細にミックスされ、このムースにレモンの深い味わいをプラスしました。

協賛会社:アンベール・ジャパン株式会社

生クリーム

このデザートの一番上にあるアイスクリームにタカナシ乳業株式会社の北海道根釧フレッシュクリーム35を使用しております。バジルやレモングラス、カラマンシーのジュが入ったアイスクリームは、カラマンシーの酸味のさわやかさにハーブの香りとまろやかな生クリームとの組み合わせ。まさしく口の中でとろける美味しさです。

北海道根釧フレッシュクリーム35が作られている北海道根釧地区は、夏でも冷涼で酪農に最適な地と言われております。牧草を多く食べて育った牛からでる生乳は、牧草由来のβ-カロテンが多く含まれており、黄色みを帯びております。

そのやさしいクリーム色の生乳は、凝縮された根釧の恵みであり、豊かな乳風味と深みのあるコクを持ち合わせています。酪農家の人々とともにこの特徴のある生乳から美味しい乳製品を作り出しています。

協賛会社:タカナシ販売株式会社(東京中央営業所)

パスティス

スターアニス、レグリス、フヌイユ等60種類以上の風味豊かなハーブや薬草、スパイスを使用したリキュール。甘口ですがかなり強めのアニスやレグリスの香りがあり、特に南フランスを中心に食前酒として愛飲されています。一般的に飲用する際は氷や水で割り、水で割ると琥珀色から白濁します。

今回使用したアンリ・バルドゥアンパスティスは、65種類もの選び抜かれた風味豊かな素材を使用し、パリ農産物コンクールで金メダルを受賞しています。収穫や蒸留、ブレンディングなどの工程は全て手作業で行われています。

こちらのデザートでは、パスティスの飲用するときの独特の香りとは違い、ハーブやスパイスの清涼感と柑橘系の酸味とがうまくマッチしておりました。

協賛会社:フレンチF&Bジャパン株式会社 

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