2022 PRIX CULINAIRE <LE TAITTINGER> 55

第55回<ル・テタンジェ賞>
国際シグネチャーキュイジーヌコンクール 日本大会
優勝者ルセット

LE TAITTINGER
55éme PRIX INTERNATIONAL DE CUISINE D'AUTEUR
SELECTION DU JAPON

優勝者  神戸 宏文(東京會館)

テーマ 

INTERPRÉTATION D’UN MORCEAU
DE COCHON AU CHOIX
POUR 8 PERSONNES
8 assiettes avec un budget maximum de 50€
(400€ au total)

豚肉(好きな部位/温製料理) 8名分

ルセットを創作した経緯 

無駄を出さずに美味しくを課題に、この料理を作りました。
食材ロス、洗練された作業工程『労働』を考えることが美味しい料理に繋がると考えるからです。

【使用した部位はロース】
中心部をメインの可食部にし背脂は揚げ油やリエットに、肩に近い赤身はファルス、パリュールはソースにし、さらにその出がらしをリエットに加工します。

一つの食材をさらに細分化し適切な調理を施したうえで、一皿に仕上げる。
見た目だけではなく美味しさを一番に考えた作品です。

【豚ロースの処理】 

  • 背脂と脂身の強い箇所を切り離し筋もすべて取り除く、フィレにしたものから(20cm、450g)の整った塊を確保し、塩を振る。
  • 肩側、脂身の部分から650gの赤身の肉片を切り分け、ファルス用にとっておく。
  • 背脂は少量の水と共に鍋に入れ加熱し、ラード(リエット、ファルス、揚げ油用)にする。
  • その他の肉片はジュ用に約2cm角に切る。約2kg前後確保出来る。

【ファルスの作成】

  • 650gの赤身の肉の350gは5mm角に切り、アルマニャック5cc、赤ポルト5cc、塩2g、白コショウ0.5でマリネする。
  • 残りの350gの肉は、豚レバー40g、塩2g、アルマニャック20cc、赤ポルト20cc、白コショウ0.5g、オールスパイス0.5g、全卵25g、コーンスターチ3g、ラード30gと共にフードプロセッサーで回し、マリネした350gの肉と合わせ冷やしておく。

【リード・ヴォーの処理】

  • リードヴォーの血管を数ヵ所切り氷水の中でよく洗う、お湯を沸かし適量の酢と塩を入れリードヴォーを5~6分しっかりとブランシールし、氷水で冷やす。
  • しっかりとエグテし、1cm角に切り分けておく、正味100g用意。

【パンチェッタの処理】

  • 固く可食出来ない部分も取り除き、スライサーで可能な限り薄くスライスする。
  • (長さ22cm、幅3cm)にスライスしたものを30枚用意する。※骨等に注意すること

【パテ・ド・ポーの成形、火入れ】

① セージを15gブランシールし豚ロース(20cm450g)縦片面に貼り付けコーンスターチを振るう
② スライスしたパンチェッタ15枚をシート状にし、①を巻きルーローにする
  ※決着面にコーンスターチ
③ ②の縦片面にファルス250gをナッぺしつつリードヴォー(1cm角)100gを散りばめる
④ スライスしたパンチェッタ15枚をシート状にし、コーンスターチを振るい、③を巻く。
  ※決着面にコーンスターチ
⑤ 網脂を広げ、④をしっかりと巻く ※3~4重
⑥ ⑤をラップできつく巻き両端を縛る。 ※内径8.5cm、長さ20cmのルーローに仕上げる
⑦ ⑥をウォーターバス67℃で1時間加熱し0.5時間休ませる。ラップを外しセジールし両端を落とし8カットにする。※2cm

【ジュ・ド・ポー】

① 温めたココットで豚肉のパリュール1.5kgをしっかりと炒める。
② ①に皮付きニンニク100gをエクラゼにし加え、コンカッセにしたエシャロット200gと共に炒める。
③ ②にトマトコンサントレ30gを加え軽く混ぜ、白ワイン300gを入れデグラッセする。
④ ③に水1.5L、塩8g、ローズマリー3gを加え蓋をし、180℃のオーブンで1時間煮る。
  ※時折状態を確認し、鍋肌を刷毛でキレイにする。
⑤ ④をパッセする。これをソースのベース(フォンドポー)として使用する。仕上がり1L。
  ※パッセした際に出た肉片はリエットに使用する為、ニンニクの皮やローズマリーは除去しておく  

【ソースシャルキュティエール】

① 温めた鍋に豚肉のパリュール500gを入れしっかりと炒め、エマンセにしたオニオン150gを加える。
② ①にアシェにしたニンニク15g、白ワイン600ccを加え1/2まで煮詰め、アシェにしたドライトマト30g、エマンセにしたコルニッション50g、ジュドポー1Lを加え1/3まで煮詰める。
③ 別の鍋にシェリービネガー250cc、赤ワインビネガー100ccを入れ1/3まで煮詰め、②を加える。
④ ③の味を整えコーンスターチで濃度を調整しブールモンテする。約50g
  ※時折状態を確認し、鍋肌を刷毛でキレイにする。
⑤ 提供直前にマスタード30gを加えパッセし、ツヤ良く仕上げる。

【レンズ豆のフラン】

① 鍋にレンズ豆150g、水800cc、ベーコン30g、オニオン40g、ニンニク20g、塩4g、タイム1本を入れ火にかける。弱火で40~50分煮込んだのち全体量700gの状態でミキサーにかける。
② ①をパッセし、このピューレ300gに牛乳120cc、生クリーム40cc、全卵200gを加え味を整える。
③ カードル(縦15cm、横20cm、高さ4cm)の底にラップを張り、550gのアパレイユを流す。高さは2.5cm
④ ③を90℃で20分蒸す。底が上になるように型から外し既定のリーフ型セルクルで抜いておく。
⑤ 鍋にマデラ500ccをいれ1/2まで煮詰め、パールアガー20gをいれる。
⑥ ⑤をパッセし、金箔を加えみぞれ状にし、高さが3mmになるようにバットに流しフランと同じ型で抜いておく。
⑦ 提供時はフランのみ温め、ジュレは後乗せする。

【エシャロット ビネーグル】

① 鍋にラード、ニンニク1片、タイム1本を入れ香を出し、エシャロットを皮付きのまま3個入れる。
② ①に赤、白ワインビネガーを150ccずつ加え蓋をし、1時間弱火でブレゼにし、冷やす。
③ エシャロットの皮を取り、縦に切れ込みを入れながら1枚ずつ剝がしていく、色のキレイなものを8枚確保し、残りはリエットやファルスに使用する。

【豚のリエット】

① ジュドポーをパッセした際の肉片500gをフードプロセッサーで回し、ラード50g、エシャロットビネーグル50gとそのキュイソン適量とで合わせ、塩と胡椒で味を整える。アシェにしたパセリ15gを加える。
② あらかじめに用意しておいたエシャロットビネーグルのシートでリエットを包みもともとのエシャロットのような形に成形しビネーグルのキュイソンをナッぺする。その上にディル、花穂紫蘇を飾る。

【ポムドテール デクリネゾン】

① ジャガイモ800g(約5個)の皮をむき、1個分をかつらむきにし、それを巻きなおし4mm幅に切る。
② 内径1.5cm長さ15cmの筒にオーブンシートを巻き、①を巻き付ける。
③ ②に油を吹きかけアルミホイルで覆い180℃のオーブンで9分焼成し、バネ状のチュイルにする。
④ 3cmのくり抜きで残りのジャガイモを抜き、半球状のものを16個用意し、2分ブランシールする。
⑤ ④の内8個の底面を1.5cmのくり抜きで抜き、16個全てを170℃のラードでフリットにする。
⑥ トリュフを2mmのスライスにし内径1cmの丸い抜型で抜く(48枚用意)モルソーはアシェにしピューレに使用。
⑦ マンステール100gとクミン5gを合わせポーシュに入れくり抜きで穴を空けたジャガイモ8個の中に絞る。
⑧ ジャガイモのパリュールを100℃で蒸し、パッセし、適量の牛乳、生クリームでのばしピューレにする。
⑨ ⑧にアシェにしたトリュフを加え味を整え、ポーシュに入れる。
⑩ オーブンシートの上に少量ずつ、⑨のピューレを絞り(8ヶ所)それぞれのピューレにトリュフを6枚ずつ花のように貼り付けておく。(盛り付けをやりやすくするための準備)
⑪ アシェットの上にピューレを絞り、その上にマンステール入りのフリットを乗せていき花を模した形に盛り付ける。
⑫ ③のチュイルは、レンズ豆のフランの上にクレイジーピーと共に盛り付ける。

※このルセットは日本大会のために作成したものです。本選では本選仕様に変更しています。

第55回 <ル・テタンジェ賞>国際シグネチャーキュイジーヌコンクール日本大会