第52回 <ル・テタンジェ>国際料理賞
コンクール・インターナショナル
(パリ)結果報告
52ème PRIX CULINAIRE INTERNATIONAL LE « TAITTINGER »
「第52回<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール インターナショナル」が11月19日(月)パリで行われ、ファイナリストたちがパリ商工会議所フェランディ校にてファイナル実技審査に挑み、同日20時よりホテル・ルテシア(パリ)にて結果発表および授賞式が行われました。
審査委員長ジャンポール・ボストエン氏(オーベルジュ・ド・リル アエベルラン 3つ星)をはじめ国際審査員は、第52回コンクール・インターナショナルの結果を下記のように決定しました。
又、日本人として史上初めて優勝(1984年、第18回ピエール・テタンジェ国際料理賞コンクール)した堀田大氏が、インターナショナル・コンクール審査委員として参加しました。
各国6人のファイナリスト
Simon Denis | L’Eau Vive, Profondeville-Belgique | ベルギー |
Tom Scade | Ritz, Londres-Angleterre | イギリス |
Antony Maillet | Le Floris, Genève-Suisse | スイス |
関谷 健一朗 | L’Atelier Joel Robuchon, Tokyo-Japon | 日本 |
Vivien Rouleaud | Le Chabichou, Courchevel-France | フランス |
Sander Van Zantvliet | RestaurantValuas, Veluas-Pays-Bas | オランダ |
日本代表、今年8月に逝去した故ジョエル・ロブション氏(1970年優勝)の愛弟子である関谷健一朗氏が1位に輝きました。
インターナショナルの日本人優勝は1984年の堀田大氏以来34年ぶりの快挙です。結果発表前には、今年10月に急逝いたしました事務局「フランス文化を識る会」会長の故倉重眞琴の功績をヴィタリー・テタンジェ氏が称え、34年ぶりの日本人優勝にはテタンジェ一家とともに喜びを分かち合いました。
受賞者
優勝
関谷 健一朗
L’Atelier Joel Robuchon, Tokyo-Japon
2位
Antony Maillet
Le Floris,Genève-Suisse
3位
Tom Scade
Ritz,Londres-Angleterre
第52回インターナショナル・ファイナル
テーマ
Turban de la SOLE pour 6 personnes
Garniture imposée à base d’artichaut et garniture libre
accompagné d’une sauce dans une saucière
チュルバン・ド・ラ・ソル 6人分
アーティーチョークをベースとしたガルニチュールと自由なガルニチュール
ソースをソーシエールに入れて供する
審査委員長による課題ルセット
L’oeuf pour 6 personnes
Une entrée libre à base d’oeuf de poule
ルフ 6人分
鶏卵をベースとした自由なアントレ
1人5時間でテーマ料理と課題ルセットを制作
COMMENTAIRE DU REPRESENTANT DU JAPON
関谷 健一郎氏
「コンクール・ジャポン」
「コンクール・インターナショナル」
優勝
今回、かつてジョエル・ロブションも優勝した歴史と権威のあるコンクールで良い成績をおさめることが出来て、大変光栄に思っております。きっと天国のMr.ROBUCHONも喜んでくれていると思います。 課題が発表されてから、沢山の応援、サポートを頂き、決して一人で料理を創っていた訳でなく皆様の気持ち、自分の想いを盛り込んだ料理だったからこそ、優勝する事が出来たのだと思います。心から感謝しております。この経験を生かし、今後も全てのお客様にご満足頂けるような料理を創り出して行きたいと思っております。
コンクールに関するお問合わせ先
<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール・ジャポン
事務局 フランス文化を識る会
〒160-0023
東京都渋谷区桜丘町3-2 渋谷サクラステージ SAKURAタワー7階
TEL:03(5937)4412 FAX:03(5937)1891
COMMENTAIRE DU JURY
コンクール・ジャポン審査委員長
堀田大氏
インターナショナルに
国際審査委員として参加
今年はいける。日本大会が終わった後実感として強く感じた。授賞式での関谷シェフの挙動を見て。シェフとしてお客様に対する責任感、オーラが素晴らしかった。
早めに渡仏し、フランスの空気を吸い留学時代を思い出し最高の状態で臨めたように思えた。前日のメイン食材が発表された時も他の選手に比べ落ち着いた状態で益々いけると確信した。
インターナショナル・ファイナルテーマ
40cm×60cmの平らな皿に6人分盛りソースはSaucièreで、課題ルセットと共に5時間で提出。
2週間前のテーマ発表では、Turban de la mer リングの中心にガルニを詰め、まわりに1種は自由なガルニチュール、もう一種はアルティッショーの上にスフレをのせたもの、ソースは1種別添えとの指示、メインの食材が前日発表され「舌平目」、Turban de sole 全選手とも予想内だったと思う。
関谷シェフのムースは帆立の甘みのあるムースでベースを作り3等分し、シャンピニオンデュクセル、オマールエビのコライユ、ベースのまゝの3種に香味つけし、ターバン型に層に詰めポシェしたもので3種の色合い、風味、味のバランスが良くとれていた。ソースもオマールエビをしっかりと炒め、引き締まった香りを出し、クリームで直に煮ることにより香りを取り込み、クリーム臭さ、味を飛ばしまろやかなソースに仕上がっていた。ムースを食べるのに最高の仕上がり、バランスがぴったりと合っていた。ガルニのメイン、アルティショーの中にオマールの身を入、全体のハーモニーがぴったりと合って楽しく食べれた。キュイッソンも全ての物が完ぺきだった。
関谷シェフの作品は大事なお客様にお出しする料理だった。
いつも言っているが、コンクールの為だけの料理はあり得ない。
審査員をレストランに来たお客様と思い、お客様が満足できる料理を作るべく、日ごろの積み上げた力と技術の発表の機会だと思ってチャレンジした参加者が、グラン・プリに選ばれると常に感じている。
無駄なことはしないで、「主品」をより良くする必然性のある材料の使い方、調理の仕方をした結果であった。