2014 PRIX CULINAIRE <LE TAITTINGER> 48

第48回 <ル・テタンジェ>国際料理賞
コンクール・インターナショナル
(パリ)結果報告

48ème PRIX CULINAIRE INTERNATIONAL LE « TAITTINGER »

第48回 <ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール・インターナショナル(パリ)

第48回<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール・インターナショナルが11月25日(火)にパリ商工会議所フェランディ校で行われ、同日夜ホテルジョルジュ・サンク(パリ)で結果発表式が催されました。 審査委員長エマニュエル・ルノー氏(レストラン・フロコン・ド・セル、ムジェーヴ、ミシュラン3つ星)をはじめ過去このコンクールに入賞経験のある異なる国から選出された国際審査員(注1)は、第48 回<ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール・インターナショナルの結果を下記のように決定しました。
又、日本人として初めて優勝(1984年、第18回ピエール・テタンジェ国際料理賞コンクール)した堀田大氏が、審査委員として参加しました。

この度は、フランス代表として高柳好孝氏(ホテルムーリス、パリ)も参加し、一昨年に続き日本人2名が競う国際コンクールでした。

注1 国際審査員:ミッシェル・コンビ、ステファニー・ル・ケルク、アマンディーヌ・シェニョ、ジェラール・ボワイエ、ベルナール・ルプランス、 クリスチャン・ネ、ミッシェル・ロス、ジャン-ジャック・プートリオ、ピエール・フォントネー、ジャン-ジャック・ムナントー、堀田大、ギヨーム・ゴメス、 クリストフ・バッキエ、ダニエル・ジョリ、シドニー・ルデル

ファイナリスト

6名
フランス2名、日本、スイス、ベルギー、オランダ

受賞者

受賞者

優勝

ジョナサン・ザンドベルゲン氏
Jonathan Zandbergen

アルメレ レストラン・ヘット・ヴェルヴュィ
(オランダ、アルメレ)

ジョナサン・ザンドベルゲン氏(Jonathan Zandbergen)

2位

ニコラス・ヘンシンガー
(Nicolas Hensinger)

ホテル・ド・ヴィル
(スイス、クリシエ)

3位

川本善広氏
(Yoshihiro Kawamoto)

ホテルグランヴィア大阪
(日本、大阪)

川本善広氏(Yoshihiro Kawamoto)
川本善広氏(Yoshihiro Kawamoto)
川本善広氏(Yoshihiro Kawamoto)
川本善広氏(Yoshihiro Kawamoto)

第48回インターナショナル・ファイナル
テーマ

2 râbles de lièvre pour 8 personnes,
agrémentés de 2 garnitures imposées, l’une à base de châtaignes,
l’autre de potiron et une garniture libre avec une sauce ou un jus

2 ラーブル・ド・リエブル− 8人分
2種類の課題ガルニチュール:シャテーニュをベースにしたもの1種とポティロンをベースにしたもの1種
1種類の自由ガルニチュール、ソースまたは、ジュを添える

第48回インターナショナル・ファイナル

審査委員長による課題ルセット

Un Pain perdu aux pommes reinette et crème anglaise pour 8 personnes
Servie en assiette creuse(D26x H5cm,sans bord)
Saucière à disposition
Fourni : brioche nantaise 800 gr (rectangle)

パン・ペルデュ・オ・ポム・レーネット・エ・クレーム・アングレーズ− 8人分
皿盛り、ソーシエールに入れ添える
ブリオッシュ・ナンテーズ800g(長方形)は、用意してある

1人5時間でテーマ料理と課題ルセットを制作

第6回ル・エディション・ド・テタンジェ・デ・コルドン・ブルー

優勝は、トゥ-ルーズの運輸業ジャン-フィリップ・ザブカ氏に決定。
先月、<シャトー・ド・レクイエール>において3人のアマチュア・ファイナリストがテーマ料理であるブッフ・ブルギニョンを制作し競いました。

COMMENTAIRE DU JURY

コンクール・ジャポン審査委員長
堀田大氏

今回の国際ファイナルは6人で競われた。
(日本、ベルギー、オランダ、スイス各国代表1人、フランス代表2名)

1位 Jonathan Zandbergen Het Veerhuys à Almere———————-Pays Bas
2位 Nicolas Hensinger Hotel de Ville à Crésier———————-Suisse
3位 Yoshihiro Kawamoto. Hotel Granvia Osaka————————-Japon
以下順不同
Takayanagi Yoshitaka Le Meurice————————————–France Paris
Cheminade Jeremy La Rotonde Lyon——————————France megeve
Xavier Bernes Tha Hotel“Restaurant By Pierre Balthazar —Belgique
  

フランス・パリ地区の代表である日本人高柳氏は、渡仏8年目で現在パリのミシュラン三ツ星ホテルムーリスに勤務中。
昨年同様、ファイナリストに3年連続日本人2名出場し、フランスで働く日本人料理人の実力が現地フランス人料理人と対等な力をつけてきたようで審査員の評価も非常に高いものがあり誇らしく思った。

<審査員長の課題ルセット>
Assiette盛りで8人分
Pain perduに、pommes reinetteを使いcrème anglaiseを添える

Brioche nantaiseを使いコース料理に組み込まれたDessertに出てきても違和感のない一品に仕上げられて普段理解しているFrench Toastとは全く違う仕上がりで日本人には理解度に大きな違いがあった。
姿,形、触感(中心にAppareilがやっと浸みた状態で、パンの触感を感じる状態での仕上がり)、Dessertらしく加熱したフルーツとのハーモニー、満足のいくものになっていた。

<インターナショナル・ファイナルテーマ>
40cm×60cmの平らな皿に8人分盛り
ソースはSaucièreで、課題ルセットと共に5時間で提出

2週間前のテーマ発表では、Gibier à poil(猟獣)、3種のガル二、1つは自由、2つは指定、ソースかジュを添えて というものだった。

前夜、選ばれた封筒の中に書かれていたのは、
2 Râbles de lièbre, 1 garniture à base de potiron, 1 garniture à base de châtaigne, 1 garniture libre, accompagné d’une sauce ou d’un jus

別の封筒にはSelle de chevreuil とMarcassinが主材料として書かれていた。

Gibier à poilだったので予想しなければいけない食材だった。参加者全員が練習を重ねた状態が見えたが、Cuissonが不均一な仕上がりが多く(調理機器に任せるだけでなく体感も養ってほしい)採点に影響した。
GarnituresはCuisson,味のバランス、量、3種のハーモニー(風味、触感)がとれていない作品もあった。一皿を完食した時のMariageに違和感を感じた。

主品はその材料の特徴を生かす。それに添えるものはその料理を補足するGarniture, Sauceでなくてはいけない。主料理をより良くするための物なのだから。

今年のThèmeの採点基準は、
Aspect / Présentation / originalité -50/200
Cuisson-40/200
Créativité/Originalité-40/200
Harmonie gustative-40/200
Garniture no1-20/200
Garniture no 2-20/200,
Garniture no 3-20/200
Sauce au jus-10/200 Total 200ポイント

課題のPain perduが100点(高いポイントである)、合計300点で審査された。

毎回、Cuisson, Harmonie gustative, Garnitureの評価が高い。
入賞した作品はRâbles de lièbreを美味しく食べさせてくれた素晴らしい料理だった。
結果は、Pain perduの得点に差が出たように思う。

いつも言っているが、コンクールの為だけの料理はあり得ない。
審査員をレストランに来たお客様と思い、お客様が満足できる料理を作るべく、日ごろの積み上げた力と技術の発表の機会だと思ってチャレンジした参加者が、グラン・プリに選ばれると常に感じている。
無駄なことはしないで、「主品」をより良くする必然性のある材料の使い方、調理の仕方をした結果であった。

第48回インターナショナル・ファイナル

COMMENTAIRE DU REPRESENTANT DU JAPON

川本 善広氏

日本大会を終えて

今回はテーマが難しかったです。鴨をデゾセしファルシしロゼに仕上げ、ソース・ヴァン・ルージュ。ロゼに仕上げる方法とピノ・ノワールで作るソース、食材リストにブイヨンやフォン・ド・ヴォーが無かったので鴨のガラと赤ワインとでコクのあるソースを作るのに苦労しました。一皿の味のバランスを考えて鴨がひきたつソース、ガルニチュールを何度も作り練習しました。

世界大会を終えて

今回初めての世界大会だったのでどのように臨むかが大きな課題でした。日本の調理場にあるような器具などが無いと聞いていたので用意するのに大変苦労しました。

課題が発表されてから日本でトレーニングを始め、17日からパリに入り一週間準備をして臨みました。ご指導頂いたM.O.Fでテタンジェ世界大会でも優勝されたガブリエル・ビスカイ氏、トレーニング先のオーナーのジョエル・ボワロー氏にはフランス料理の奥深さと並々ならぬ情熱、そして料理だけではなくいろいろな多くのことを学ばせて頂きました。

世界大会ではコミと通訳がつきますが細かいところまでは伝えきれず苦労しました。自分が思い描いていた料理が出来なく、力の無さを痛感しました。まだまだ自分に足りないものがたくさんあるなと感じたコンクールでした。

最後に今回多くの方々のご協力のお陰で無事世界大会に出場することができました。頂いた賞に恥じないよう精進してまいります。ありがとうございました。

今後コンクールに参加される方々へ

私にとってコンクールは日々積み重ねてきたものの成果を発表できる場だと考えてチャレンジしてきました。お客様(審査員の方々)に美味しいと言ってもらえる料理を考え三度目で念願のグランプリを取ることができて自分自身が少しでも成長できていたことが嬉しかったです。一日一日を大切に目標に向かってがんばれば今よりも美味しい料理が作れるとおもいます。お互いにがんばっていきましょう。